
進化した全身脱毛
普通、10代から20代にかけての時期というものは身長が伸び、それに正比例するように体重も増加していくのが自然である。
世界各地の女性は基本的に自然の法則は守られているのだが、日本人女性の場合は違う。
この世代の体重が増えておらず、スリム化が進んでいるのが現状なのである。
そうした女性たちがダイエットに夢中になる主力層だとすると、これは非常に危険なことだといわざるを得ない。
ときに肥満でもない女性が、スタイルを気にするという単純な理由でダイエットをする。
するとどんなに危険なことが起こり得るのだろうか。
危険とは健康上の問題が発生することを意味するが、もう一つ、誤ったダイエット法は逆効果の「かくれ肥満」に変身してしまう危険があることも意味している。
もちろん、健康上の理由からダイエットの必要がある人はいる。
しかしこの場合、正しいダイエット法というものがあり、体脂肪だけを落として、筋肉の量を減らさないようにメニューを組み立てていく。
天ぷらを例にとるとわかりやすいかもしれない。
天ぷらの衣だけを取り去り、中身のエビは落とさない方法が、正しいダイエット方法なのである。
ところが、巷で流布しているダイエット法は、短期間で大幅に体重が減ることをセールスポイントにしているところが多い。
そのためには、かなり無理な減食が求められている。
肥満者でない正常な女性が、スタイルを気にするあまり減食すると、確かに一時的に体重が減り、それに伴って体脂肪も取れる。
しかし、同時に筋肉の量も減ってしまっている。
一度落ちてしまった筋肉はつきにくい。
しかし脂肪はすぐに戻る。
すると、体内における体脂肪のパーセンテージは減るどころか、逆に増えてしまうという不幸な結果を招くことになる。
ようするに、体重だけを見ると人並みでも、実は体脂肪過多の「かくれ肥満」体になっているのである。
こうした事実を知らずに、長い人生のなかの一瞬ともいえる時間を「痩せた」という喜びに浸るのはいかがなものだろうか。
喜びの陰では、来るべき肥満への階段が着々と構築されているかもしれないのだ。
しかも各種の疾病が発症するオマケつきで……。
過激なダイエットの怖さに、ウェイトサイクリングがある。
リバウンド現象という言葉と同義語であり、ダイエットに興味のある方はご存じのはずである。
痩せたい一心で無理な減食を重ねた結果、短時間で大幅な体重減には成功するものの、しばらくすると再びもとの体重に戻ってしまう。
肥満気味のテレビタレントのなかにも、各種エステに挑戦して一時的な痩身に成功し脚光を浴びるものの、いつしかもとの体型に戻っている人をよく見かける。
若い女性のなかには、リバウンド現象を体験するとそれまでのダイエット法に背を向け、新たなダイエットに挑戦していく人も多い。
しかも、より過激な方法で……。
しかし、何度もダイエットを繰り返していると、見えない体脂肪の恐怖が体内に忍び寄る結果となる。
それはなぜか。
そもそも、体重が減るときは筋肉も体脂肪も減っていくが、体重が戻るときは脂肪だけが増えるからである。
中間の時期に筋肉量は増えていかない、その結果、リバウンドを繰り返せば繰り返すほど、かくれ肥満が進行していく。
筋肉はつきにくいが、脂肪はすぐにつく。
つまり、筋肉はどんどん減っていくが、肪脂は増えていく。
これは自戒していただきたい事実なのである。
こうした過激ダイエットの繰り返しによって誕生するかくれ肥満は、健康をどう蝕んでいくのであろうか。
女性の場合、まず貧血や生理不順などの症状が現れることが多い。
ほかにも内臓脂肪の割合が多いということだけで、後年、高脂血症や胆石、さらには高血圧や糖尿病を発症しやすくなる。
若気のいたりといってしまえばそれまでだが、その代償は大きすぎる。
かくれ肥満はプロポーションにも影響するはずだ。
無理なダイエットによって仮に体重が減ったとしても、それは同時に筋肉をも落とし、体脂肪の割合を多くする。
すると、カリガリの身体のなかでお腹だけがポコリと飛び出るなど、決して良いとはいえない体型に変化する確率が高くなる。
さらに栄養摂取に問題があるため、顔色はさえずに不健康そのもの。
しかも病魔が忍びよるのでは、巷で宣伝されている過激なダイエットは、まさに悪魔のささやきといえるものだと思ったほうがいいくらいだ。
この際、本当の美しさ、プロポーションの良さとは何かを考える必要があるのではないだろうか。
古墳で出土した土偶像を見てもわかるように、かつて美の頂点を極めた女性は例外なくふくよかな体型をしていた。
ところが、時代は移り、昭和30年代にミニスカートを全世界に普及させたモデル、ツイギーの出現から女性の理想の体型は変化していく。
現在はスーパーモデルと呼ばれる女性ボッティチェリの「ビーナスの誕生」に描かれた女神たちのほっそりとした体型が、若い日本人女性の間でも理想となっている。
ファッションにもあるように、プロポーションにも回帰現象があってもいい。
かつて、女性の理想の体型は、健康面でも理想のものだったからだ。
後述するが、身長と体重のバランスを計測する方法の一つに、ボディマスインデックス(BMI)を参考にする方法がある。
体重を身長の二乗で割ると出る数字なのだが、正常の範囲は20〜25とされている。
現代のスーパーモデルたちのBMIは18、女優さんで約19だといわれている。
つまり、現代の理想美といわれている彼女たちは痩せすぎの範ちゅうに入るのである。
過去、絵画に描かれた美の女神ビーナスのBMIを推定した調査がある。
それによると、15世紀に描かれたボッティチェリの「ビーナスの誕生」に描かれた女神のBMIは22。
正 常範囲のプロポーションが、美の象徴とされていたのである。
肥満ではないのに不健康なダイエットに励む若い女性たちには、時代の潮流に左右されることなく、本当の美しさとは何かを改めて考えてほしいものだ。
一般的には、体内の体脂肪率は年齢とともに増加する。
このため、真の肥満状態と呼べる人は、通常は高齢者に多い。
しかし、近年では男女を問わず、若者の間でも肥満者は増え続けている。
この理由を考えてみると、文明の発達によって便利になった現代のライフスタイルや、厳しい競争社会がもたらす影響が大きいことが判明している。
まさしく時代が肥満をつくり出しているのである。
たとえば、その昔は自分の足に頼るしかなかった移動手段が、現在ではクルマや電車などに依存することで時間を短縮でき、しかも肉体的に苦痛を伴うこともなくなった。
家の外だけではない。
家のなかにいても、こまめに身体を動かさなくとも用が足せるようになった。
一人暮らしをしている若者などはとくにそうだ。
手を伸ばすだけで各種AV機器のリモコンを手にしてスイッチのオンーオフに立ち上がる必要はなくなった。
洗濯機は全自動が普及し、労力の省エネルギー化は着々と日常生活で進行している。
便利なことこのうえないのだが、健康面から見ると、これが慢性的な運動不足をもたらし、体脂肪過多の肥満の若年齢化を進める結果となったのである。
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